
答えはNO。dmgはインストーラ用にも使われるが、インストーラ専用のファイル形式ではない。前回も書いたように、Windowsでよく使われる「.iso」などと同じ仮想ディスクイメージ。
仮想ディスクイメージとは
ほかのファイルやフォルダを格納するディスクの属性を持たせたファイルのことで、既存のディスク、ボリューム、フォルダを元にしてディスクイメージを作成できる。空のディスクイメージを作成し、後でファイルやフォルダを追加することも可能。
Macの仮想ディスクイメージの場合

このアイコンをダブルクリックして開けば、通常のフォルダの中身と同様、ファイルを開いたり、コピーしたりできる。ディスクイメージの形式が「読み込み/書き込み」なら、中身のファイルに変更を加えることもできる。
( /システム/ライブラリ/CoreServices/DiskImageMounter.app )
「.cdr」や「.iso」といったほかの仮想ディスクイメージなどを含めて、同時に複数(いくつでも)Mac OS X 上にマウントできる。
ソフトのインストーラとしてのdmgの使い方(主にMac OS X 10.4.11で検証)
● インストーラとしてのdmgをダウンロードしたケース(1)

● インストーラとしてのdmgをダウンロードしたケース(2)

アプリケーション本体をApplicationsフォルダのエイリアス(Windowsのショートカットアイコンに相当)にドラッグ & ドロップすると、「アプリケーション」フォルダにコピーされる。
Dockの「アプリケーション」アイコンにドロップしてもかまわない。
フォルダの左ペインが表示されている場合は、そこの「アプリケーション」アイコンにドロップしてもかまわない。
もちろんシステムのHD直下の「アプリケーション」フォルダに直接ドロップしても問題ない。
● インストーラとしてのdmgをダウンロードしたケース(3)

● その他のインストーラ
dmgやzipファイルでダウンロードが終わると、同様にアプリケーションが含まれていることを通知するメッセージが表示されるので、[続ける]をクリックすると、ダウンロードした場所にインストール用のパッケージファイルやアプリケーション本体を残し、その他のファイルを自動的にゴミ箱へ移動するものもある。
● (2)と(3)のケースで自動マウントされない場合
ダウンロードしたdmgをダブルクリックしてディスクイメージのボリュームをマウントさせる。
マウントされたボリューム内のアプリケーション本体(拡張子 .app)をダブルクリックして起動させるのは禁物、まともに動かないし、「アプリケーション」フォルダなどにコピーしていない状態でシステムを再起動させるとアプリケーション本体は消えてしまう。
● ディスクイメージのボリューム全体をHD内にコピーする際の注意

全体をコピーしたい場合は、「option」キーを押しながらHD内へドラッグ & ドロップする。中身の入ったフォルダとして全体がコピーされる。
● インスストールもしくは「アプリケーション」フォルダやその他へコピーが終わった場合

(ちなみに、サーバーに接続していて、デスクトップ上のサーバーのアイコンをゴミ箱へ移動すると、「接続の解除」に変わる)。
ボリュームは削除しなくてもシステムを再起動したら消える。

(※ Mac OS 10.7では、マウントしたボリュームを残したままdmgのみをゴミ箱へ移動し、「ゴミ箱を空にする」ができてしまう。逆に注意が必要)。
また、バックアップ・再インストール用としてインストール用dmgを削除せず保管しておいてもかまわない(HDの容量に余裕があるなら)。dmgをダブルクリックすればいつでもボリュームとしてマウントできる。
その他のdmgの使い方
● 重要なデータのバックアップ
システムの起動HDやボリュームなどを丸ごとバックアップ。Macのシステムに問題が生じたり、物理的にHDが壊れたり、データを間違って削除などのトラブルにみまわれたとき、バックアップしておいたdmgを「ソース」にして「復元」することができる。Mac OS X 10.4では、システム全体を自動的にバックアップする「Time Machine」が利用できないので、有効な手段のひとつ。
● CD や DVD のバックアップ、複製
大事な CD や DVD に含まれる情報をすべてひとつのディスクイメージに保存できる。その際暗号化もできる。また保存したディスクイメージから CD や DVD を焼くこともできる。
● 自分が作成した作品などのデータのバックアップ
Macのシステムに問題が生じたり、物理的にHDが壊れたり、データを間違って削除などのトラブルに備えて、データをディスクイメージに保存し、他のHDやその他のメディアに移しておく。そのままポトフォリオとして人に渡すこともできる。紛失したときを考慮して暗号化しておくこともできる。
● 私自身の実際の使用例
多くの人が出入りする事務所に私専用のMacを置いておくという期間があった。他の人がこのMacを起動させることもできたので、私自身の重要な個人情報データを暗号化したdmgにまとめておいた。重要度に応じて暗号化したdmgに分けて複数作成し、さらにそれらをひとつの暗号化したdmgにまとめた。
作業日誌のように日々更新するデータやその日の成果を、dmgをダブルクリック、パスワードを入れてディスクイメージのボリュームをマウントさせ、中身のデータファイルを置き換え、ボリュームをアンマウント、と少々手間はかかるが、個人情報データを保護する上でおおいに役立った。この更新されたdmgを外付けUSBメモリにコピーして毎日家に持ち帰ることで最小限ながら同期もはたせた。
また、作業途中のaiやpsdを暗号化したdmgにして、クラウドに上げておくという使い方は現在もしている。外出時どこからでも確認できるという利点のほか、ネットにあげると壊れやすいaiファイルをdmgに入れておくことで保護するという意味もある。
■ dmgを理解するには実際に作ってみるとよく分かる。
7 件のコメント:
MacOX0.4,11を利用しています。写真を見ようとするとVitaminSEEがでてきて直ぐに閉じます。何度やっても同じです。イメージをそのまま(前のように)見るにはどうしたらいいでしょう。Vitamin7.2をダウンロードし、dmsファイルを作成したのですが効果ありません。どうしたらいいのでしょう?
コメントありがとうございます。
「写真を見ようとすると」というのが具体的どんなことをされているのか分かりませんが、もし画像ファイルをダブルクリックしているということでしたら、画像ファイルをDockの「プレビュー.app」アイコンにドラッグ&ドロップしてみてください。
「プレビュー.app」が起動して画像ファイルを表示してくれるはずです。
Dockに「プレビュー.app」アイコンが無いようでしたら、「アプリケーション」フォルダの中にありますので、そのアイコンにドロップしても同様です。
または、画像ファイルを右クリック(ワンボタンマウスでしたら、controlキーを押しながらクリック)すると、ダイアログが出ますので、「このアプリケーションで開く」を選ぶと、アプリケーションの候補がズラッと表示されますので、その中から「プレビュー.app」などを選んでください。
「VitaminSEEがでてきて直ぐに閉じる」ということですが、その画像ファイルの形式(jpegなど)がVitaminSEEに関連付けされてしまっているということのようなので、同じく画像ファイルを右クリックから「情報を見る」を選び、情報パネルの下の方の「▼このアプリケーションで開く:」をプルダウンして、「プレビュー.app」などを選び、「すべてを変更」ボタンをクリックして決定してください。
次回、その画像ファイル形式をダブルクリックすると、変更した「プレビュー.app」などが起動します。
もしという仮定のまま、書きましたので、的を射ていないお返事になっていましたら、ごめんなさい。再度コメントをお願いします。その際はもう少し具体的にお書きいただくと助かります。
追記
VitaminSEE v0.7.2は、私のMac OS 10.4.11の環境でも起動直後に異常終了します。VitaminSEE v0.7.1.2は大丈夫なようです。
ありがとうございました。御陰さまで元通りになりました。グアムにはMacの専門店がないので本当に助かりました。感謝です。
お役にたてたようでなによりです。
> 中身の入ったフォルダとして全体がコピーされる
とありますが、わたしのMACではDMGファイルがそのままコピーされるだけでした。。。Mac OS X 10.10を使っています。
MAMさん、コメントありがとうございます。
> DMGファイルがそのままコピーされるだけ
ということですが、「option」キーを押しながらドラッグ & ドロップする対象はdmgファイルそのものではなく、dmgファイルをダブルクリックしてでき上がった白いHD型アイコンのディスクイメージです。もう一度お試しください。
念のため、Mac OS X 10.10.3で動作を確認しています。
サイトを拝見させて頂きました。
すごく参考になりました^^
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